dept24のブログ・生田和良・大阪大学名誉教授

ウイルス感染症の話題について分かりやすくまとめます。

次回の第3回かんさい感染症セミナーのご案内です

次回は、2月22日(木曜)13:30~16:00、大阪梅田(大阪駅前第二ビル5階の梅田総合生涯学習センター第二研修室)です。 話題の感染症として、「マダニ媒介感染症」、「食中毒」、「インフルエンザ」についてです。 感染症の専門家が、平易な言葉でわかりやすく…

世界における麻しん(はしか)流行の現状について

新型コロナ(COVID-19)の大流行もようやく落ち着いた状況になり、人々の動きも活発になっている。特に、観光客やビジネス関係者の海外との行き来は、ほぼコロナ以前に戻る勢いである。この海外との行き来が活発になると、心配なのは輸入感染症である。特に…

海外から持ち込まれる麻しんなどの感染症 ―輸入感染症対策の切り札はあるのか?―

新型コロナの収束ムードが日増しに高まり、人々の行き来が活発化している。これは世界的な現象で、当然、日本と海外の間も同じである。 日本人旅行者やビジネスマンが海外に行き、現地で流行っている感染症に罹っても、帰国時にまだ症状がでていなければ、成…

風しんも、麻しん(はしか)のように、数年ごとに流行を繰り返している感染症です

麻しんが、世界的流行の兆しを見せている。わが国は、これまで数年ごとに大流行を繰り返しており、これまでの3年半のコロナ禍で感染者はほぼゼロ状態であったが、今年に入りジワリと増え始めている。 この麻しんと同様に、風しんもこれまで数年ごとに大流行…

麻しん(はしか)の感染者数がジワリと増えています

新型コロナウイルスの感染者が増えており、「この感染症は普通の感染症ではなく、油断できない。もう第9波に突入だと、2類から5類へ格下げにしたことが原因だ」と、いわゆる専門家は相変わらずこの感染症に執着しておられます。 ただ、この感染症は世界的に…

次回(8月26日(土曜))の感染症セミナーの案内です。

「かんさい感染症セミナー」は4カ月ごとに、関西のいろいろなところで開催していく予定です。 次回は、8月26日(土曜)13:00~15:00、東大阪市の布施駅前プラザの予定です。 話題の感染症として、「アニサキス」、「麻しん(はしか)」、そして気になる「空間…

感染症のセミナー開催の報告です

関西BS(バイオセイフティ―)交流会とBMSA(バイオメディカルサイエンス研究会)が共同で、話題の感染症について、正しく理解し、どうすれば予防できるのか、もし感染してしまったらどうすればいいのか、などについて、できるだけわかりやすく解説する一般の…

ウイルスが変異株を産み出す仕組み

ウイルスには遺伝子変異がつきものである。ただ、変異する頻度はウイルスによって違う。 ウイルスは、子孫ウイルスを産生するために、その情報源としてゲノムをもち、それを保護するために蛋白質で包み込んでいる。その遺伝情報を収めているゲノムにはDNAの…

手足口病の季節

手足口病は、字のごとく、手と足、それに口に同じようなコメ粒ほどの小さな水泡(水ぶくれ)ができる病気で、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスによる感染が原因である。子どもが罹ると、親に感染することが多い。また、このウイルスには多くの型があ…

インフルエンザワクチンについて

インフルエンザの原因であるインフルエンザウイルスには、A型、B型、C型がある。B型とC型はヒトにだけ感染し、A型はヒト以外にも、トリやブタなど、ほとんどの動物に感染する。したがって、A型が変異しやすく、重症化しやすい。通常、毎年秋から広がり始め、…

カクテル療法は、初めエイズ治療の画期的な発見としてスタート

このほど厚労省により認可された新型コロナの治療薬は「抗体カクテル」と呼ばれている。 いわゆる「カクテル療法」は、1990年代に発見された、エイズの治療法である。1981年にエイズ(AIDS, Aquired Immunodeficiency Syndrome; 後天性免疫不全症候群)とい…

新型コロナが収まると、次に現れる感染症は?

2020東京オリパラがまもなく始まる。新型コロナの感染状況は収まるどころか、第5波が本格化しそうな勢いである。しかし、高齢者の多くはすでにワクチン接種をすませ、感染者数は増えているが、死亡者数は減っている。働き盛りの人たちが、変異株に感染したこ…

夏風邪と冬の風邪:風邪ひきは冬の定番だが、夏にも風邪と呼ばれる感染症がある

「夏風邪」とまとめて呼ばれる感染症は、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、アデノウイルスに感染した場合に、風邪様症状がみられることからこのように呼ばれている。丁度これからの季節、6月末から夏にかけて流行する。 コメ粒ほどの小さな水ぶくれ…

ウイルス性感染性胃腸炎(ノロウイルス)

ノロウイルスは秋の終わりごろから冬の中頃までが流行期間で、小児に多い感染症である。このウイルスに感染すると、2~4日の潜伏期間の後に1~2週間もの長期にわたる発症期間を迎える。症状は、腹痛、下痢、胃痛や胃痙攣、頭痛、発熱などである。 特徴は、…

季節外れのRSウイルスが大流行しているようだが、どんな感染症?

RSウイルスはどんなウイルス? RSとはレスピラトリ シンシティアル(respiratory syncytial)の略で、「呼吸器合胞体」と翻訳される。培養細胞に感染させると、ウイルスが感染して増えるに伴い、感染した細胞同士がくっついて大きな細胞、すなわち細胞融合し…

そろそろパンデミックインフルの出番か?

新型コロナの次のパンデミックは、インフルエンザが再度表舞台に? 人間社会に現れる新型ウイルスとは、これまで知られていなかったウイルスが初めて出現することである。もちろん、まったく新しいウイルスが、突然生まれ出てくるのではなく、人間が知らなか…

新型コロナまん延状況が収束すると、次はデング熱の持ち込み・持ち帰りが起こるかも

わが国も、ようやくワクチン接種が本格化しそうな雰囲気になってきた。まだまだ時間はかかりそうであるが、これまでに比べるとスピードを期待できそうな状況になってきている。 このワクチン接種が進んでくると、欧米にみられるように自由を求める機運が一気…

新型コロナまん延状況が収束すると、次は麻しん(はしか)のアウトブレイクが起こるかも?

わが国の新型コロナのまん延状況はなかなか収束するような状況にないが、欧米各国はワクチン接種が飛躍的に進み、今や格段の状況改善が認められるまでになっている。世界的に、このまま新型コロナの状況が改善されると、次にどのような感染症が発生する懸念…

ヒトには8種類のヘルペスウイルスがあり、感染すると死ぬまで取り付ついて離れません

子どものころに感染したウイルスが生涯にわたって、からだのどこかにひっそりと棲みついて離れない。それがヘルペスウイルスです。 ヒトに感染するヘルペスウイルスは、これまでに8種類が知られています。 単純ヘルペスウイルス1型: 口の周りに時々できる口…

ワクチン開発の歴史的貢献者:ルイ・パスツール(フランス)

フランスのルイ・パスツールは、エドワード・ジェンナーの行った天然痘の予防法について、ジェンナーが用いた方法に関連性が深いキーワードとして「ウシ」があります。そこで、雌牛を意味するラテン語(Vaca、ワッカ)から「ワクチン」という名前を作り、こ…

水痘と帯状疱疹は同じウイルスが原因

帯状疱疹は、がまんできないほどの強い痛みを伴う病気です。皮膚に肌荒れのような、かぶれのような赤い発疹ができ、そのあとは水膨れが出てきますが、やがてかさぶたになり、最後には赤い斑点となり、2~4週間ほどで治癒します。 80歳までに3人に1人が経験し…

予防接種について

予防接種には、法律に基づいて市区町村が主体となって定期接種と、希望者が各自で受ける任意接種があります。 定期接種には、「A類感染症」(全額補助がある小児用)と「B類感染症」(部分的な補助がある高齢者用)があります。 高齢者用には、肺炎球菌(23…

ペットからうつる感染症

犬や猫を飼っておられる家庭では、人間にもうつるかも知れない感染症を持っているのではないかと心配になると思います。 特に、最近では少子高齢社会といって、高齢者のみで暮しておられる家庭ではペットが重要な役割を担っていると思います。 ヒトと動物の…